紀伊半島の環境保と地域持続性ネットワーク 紀伊・環境保全&持続性研究所(三重県津市)
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 紀伊半島のトンボのレッドリスト

 紀伊半島にある三重県、奈良県、和歌山県のトンボ(目)のレッドリストを調べてみた。3県ともレッドリストがインターネットで公表されている。 

 三重県のトンボのレッドリストとして絶滅危惧種T類、U類および準絶滅危惧種全体で20種、奈良県では33種、和歌山県では12種が掲載されている。3県分を合わせると、重複しているのもあるので39種となる。環境省の全国レベルでのレッドリストをみると、トンボの種類は全部で46種となっている(環境省生物多様性センターHP)。3県分の39種のうち、14種が環境省のレッドリストに挙げられている。

 2007年から津市にある農業用ため池5ヵ所(全て「ため池データベース(津市分)」に掲載)で、トンボの調査を行ったが、現在までに確認されたトンボの種数は、多い順に25種、24種、23種、21種、21種であった。

 下表の一番右側の「調査結果」の欄に○印を付けた4種は、昨年からのため池調査で生息を確認した種だ。オオカワトンボの淡橙色翅型は、オスでは一部地域にのみ生息し、メスでは大部分の地域で見られることが「トンボのすべて」(井上・谷、2005)に整理して書かれており、筆者はオスの淡橙色翅型をまだ確認していない。

 2007年の調査から、伊勢平野中勢地域の農業用ため池におけるトンボの多様性は比較的高いとみられるので、2008年には昨年調査しなかった初夏と晩秋も含めても観察を行う。(2008.8.1記)
 
科名 種名 三重県 奈良県 和歌山県 環境省 調査結果
アオイトトンボ科 コバネアオイトトンボ TA U T
イトトンボ科 オオイトトンボ T
ヒヌマイトトンボ TB T
ベニイトトンボ TB U
ムスジイトトンボ
モートンイトトンボ U
モノサシトンボ科 グンバイトンボ TB
エゾトンボ科 キイロヤマトンボ TB U
トラフトンボ
ハネビロエゾトンボ TB U U
カワトンボ科 アオハダトンボ
オオカワトンボ(淡橙色翅型)
サナエトンボ科 アオサナエ
オオサカサナエ TB U
キイロサナエ
コサナエ TB T
タベサナエ U
ヒメクロサナエ U
ホンサナエ
ミヤマサナエ
メガネサナエ
トンボ科 オオキトンボ TA T U T
キトンボ U
タイリクアカネ TB
ナニワトンボ TA U U
ネキトンボ
ハッチョウトンボ U
ベッコウトンボ TA T
マダラナニワトンボ TA T T
ミヤマアカネ
ヨツボシトンボ
ムカシトンボ科 ムカシトンボ U
ムカシヤンマ科 ムカシヤンマ
ヤンマ科 アオヤンマ
オオルリボシヤンマ
サラサヤンマ
ネアカヨシヤンマ U U
マルタンヤンマ
ルリボシヤンマ TB U U

注1)環境省レッドリストは、三重県、奈良県、和歌山県のレッドリストに該当する種の部分のみを掲載。
注2)レッドリストのカテゴリーは下記の通り(環境省HPより)。
絶滅危惧TA類:ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの。
絶滅危惧TB類:TA類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの。
絶滅危惧U類:現在の状態をもたらした圧迫要因が引き続き作用する場合、近い将来「絶滅危惧T類」
          のランクに移行することが確実と考えられるもの。
準絶滅危惧:現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」として上位
         ランクに移行する要素を有するもの。
注3)奈良県、和歌山県および環境省のトンボのレッドリストでは、絶滅危惧TがAとBに分けられていない。

関連情報: 和歌山県レッドデータブック   奈良県レッドデータブック

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